みんぞく

 昨日読み残していた、浅井信雄の「民族世界地図」を読了。

民族世界地図 (新潮文庫)

民族世界地図 (新潮文庫)

 今まで、民族について触れる機会が無かったので、全体的に広く扱われているので、読んでみた。アメリカの民族問題から、かねてから興味のあった、バスククルド、そしてパレスチナ問題。旧ソ連の国に関する問題や、中国における問題などけっして浅い内容ではなく、その問題の歴史や、民族のたどった道というものを理解することが出来るものだと思う。
 印象に残ったこととして、各民族問題についてはもちろんだが、導入部分の民族の「不」定義ということから、逆に民族問題がいかに難しいものであるか。そして、浅井さんの息子さんを見たことによる、『民族意識や民族差別感情は生まれながらのものではなく、「後知恵の産物」ということになる』という言葉であった。そういう「後知恵」をつけないようには、どのようなことが必要なのかを、考え、心に留めおきたいと思ったところである。