小説1冊、漫画2冊♪

 今日は、綾辻行人の"迷路館の殺人"を読了。

迷路館の殺人 (講談社文庫)

迷路館の殺人 (講談社文庫)

 今回は作中作に挑戦している。作中作というのは、一般的にはその小説の中に別の小説があるという構造。題名とおなじ"迷路館の殺人"という小説を新人作家の鹿谷門実という人が書いている。実際に本格推理小説の大家宮垣葉太郎が住む迷路館で行われた連続殺人事件を元に書かれたという設定。登場人物は、館シリーズで探偵役を務める島田潔はじめ、推理小説作家の、須崎昌輔、清村淳一、林宏也、舟岡まどかの4名、評論家の鮫島智生、秘書の井野満男など。登場人物の中の誰が、鹿谷門実なのかというのもひとつの仕掛けになっている。もちろん中の小説にも仕掛けがあり、外?というか小説全体でも、驚くような仕掛けがありという最後の一行まで楽しめる小説。十角館〜、水車館〜、としっかりと力をつけてきたんだなというものが感じられる。宮垣葉太郎の代表作"華麗なる没落の前に"というのは、色々なところで使われている気が…
 漫画は恒例のゴルゴ13のコンパクト版。"68 すべて人民のもの"、"69 スーパースターの共演"   68は3篇収録で、表題作"すべて人民のもの"はゴルゴのルーツに関わる作品のひとつ。ルーツに関わるのは数作品あるが、中でも壮大な作品で、読者投票でも人気のある作品。ロシアを舞台の中心として、ロマノフ王家の遺産やラスプーチンなどロシアの歴史でもかなり謎の大きなところを扱っていて、とても面白い。ロマノフ2世が出てくるが、これがロシアのラストエンペラーだそう。ロシアの歴史というのも面白そうだと思ってしまった。
69は4編収録。表題作"スーパースターの共演"はすぐれたスナイパーが出てきて、かなりの自信家だが、ゴルゴには赤子の手をひねるように利用までされてあっけなく倒される。話はかなり面白く、結構好きな作品。また競馬に関わる"汚れた重賞"という作品もエリザベス女王の競馬好きな様子が書かれていて面白い。そして"シビリアン・コントロール"という作品も最後までどんでん返しがあって、楽しめる作品。