夢と現

 宇月原晴明"黎明に叛くもの"を読了。 

黎明に叛くもの (中公文庫)

黎明に叛くもの (中公文庫)

 安土桃山時代に一時期覇権を握った松永久秀を主人公とした作品。やはり怪奇のにおいがプンプンで、イスラム教に起源をもつ暗殺法を伝える山で後の斎藤道三と兄弟弟子として久秀も育ったという設定。その技術を生かして安土桃山時代で表から裏から戦う。
 視点は久秀だけでなく明智光秀の視点からも描かれる。久秀と光秀の会談?から場面は始まる。その後光秀は夢の中で現実とは違う過去を体験したり、久秀の過去らしきものを追体験したり…徐々に夢と現実の境が薄くなっていく…
 ノベルス版では4分冊されたものが、文庫で再び1冊になったそうで、京極先生の本ほどではないがなかなか厚い。