学ぶということは…

 今日は宮城谷昌光の「史記の風景」を読了。

史記の風景 (新潮文庫)

史記の風景 (新潮文庫)

 これは宮城谷さんが司馬遷による史記の中に描かれたことから、文化や故事、人物に関わることを色々と解説したもの。色々な文献から自分なりの中国史の年表を作っているということを初めて聞いたが、本当に大変な知識があり、解説も非常に面白く、またそれまでに自身が書かれた小説についても、もしかしたら違っているかもということを指摘しておられた。京極夏彦先生が出てきたときにも、本当に妖怪や民俗学などに精通していて、独学で本当に研究されている方のすごさというものが評価されていたが、宮城谷さんについてもここまで深く研究し、学ばれているのだなということを感じる本だった。宮城谷さんの本を読む際には、関連するところを読むと一層楽しめるかな。
 史記と日本の偉人、信長や水戸光圀などさまざまな人が影響を受けたことも書かれていた。それだけ中国の文化というものが日本の歴史に染み込んでいるのだなと思うとともに、昔の人もしっかりとした教養というものを身につけていたのだなと。また本の中で、漢字について触れる際、白川静博士の字統などを参考にしていた。個人的にも漢字が好きで、是非手に入れたいとは思っていたが、その気持ちがより強くなってしまった…