ペースダウン

 今週は2冊しか読めず…まぁそんな時も有るでしょう。
 森博嗣"赤緑黒白" 

赤緑黒白 (講談社文庫)

赤緑黒白 (講談社文庫)

 保呂草潤平・瀬在丸紅子などのVシリーズ最終作の文庫ですね。射殺されて赤いペンキで塗られた男性死体が発見される。その死体の男性の苗字が「赤井」。彼の恋人と名乗る女性が犯人はわかっているが、証明して欲しいと「探偵」保呂草のところにくる。ところがその女性も殺され緑色のペンキで塗られる…女性の名は美登里。美登里に犯人と指摘された女性作家帆山美澪や怪しげな新興宗教まで絡んでくる。
 動機がわからないところもあいかわらずだし、最後にはやはり逆転が待っている。ただ最後の逆転はなんとなく読めた。まぁだからって面白くないわけじゃないどころか、とっても面白いから!!新書の方を読んでないからなんとも言えないが、練無と紫子の掛け合いなんかが好きだったからこのシリーズが終わるのもちょっと寂しいかな。
 次に西澤保彦"解体諸因" 
解体諸因 (講談社文庫)

解体諸因 (講談社文庫)

 気になっていた作家さんで、ちょうど講談社文庫の最初の作品なので読んでみた。題名からも推測できるように、バラバラだったり首切りだったりといった事件を扱った9章の連作短編のような感じ。なんとなく斬新だったのは、事件の場に居るわけではなく、話を聞いたことから謎を解いていく形式となっていて、「真実」がどうだかはわからないところ。犯人の自供とかがあるわけではないから…まぁそこが大切かどうかというのも、問われるところなんでしょうけど。題材にしても本当にバラバラ死体が登場するものから、人形の腕がもがれた事件、ポスターの首が切られる事件など、後味の良いものから、非常に悪いものまで。これまで読んだものとまた違ったテイストで楽しめた。機会を見つけて読んでいきたい。