完全属国化

 関岡英之"拒否できない日本"を読了。

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)

 これは久々になんか諦め気分を味あわせてくれた本。著者にとっての発端は、1996年に北京で行われた国際建築家連盟の世界大会。ここで建築家の資格制度を国際的に統一しようという協定が結ばれたが、その基準がアメリカのものを焼き直したもの。そこから疑問をもった著者は日本の様々な制度改革―建築基準法大改正、商法大改正、司法大改正―という規制緩和やらなんやらご大層な名前で行われた改革は、まぁよく考えれば明らかな事だけど、アメリカの圧力によって、アメリカ企業が日本の産業に参入しやすいようにするためだけに、行われてきた事を明らかにしている。アメリカから日本に対して「年次改革要望書」という名の、完全なる命令書が毎年日本政府に届けられており、それに沿って改革がなされているということ。それは日本国内には全く伝えられていないのに、アメリカは完全に文書として公開している上、日本が「要望書」に沿って改革をすすめる度に、議会で功績として報告される。馬鹿にされすぎなんじゃない?一体日本の主権はどこにあるのか。完全に属国どころか、州のひとつ。この国は一体ナンなんだろうという疑問。戦争に負けたからといって、その主権すら相手に与えつづけて60年以上…そりゃ大陸の国に侮られるなぁと。