その人物

 宮城谷昌光"管仲 下巻"を読了。 

管仲 下 (文春文庫)

管仲 下 (文春文庫)

 商人も経験した管仲だが、様々な人の推薦により斉の国の公子の養育係のような立場となるが、鮑叔とは別の公子に仕えるということになる。鮑叔が仕えたのが、後の桓公となる人物小白…やはり管仲の見せ場といえば、小白のベルトの部分に管仲の矢が刺さる場面。そこを宮城谷さんは様々な資料から洗いなおす。それもなかなか面白い。
 最終的に小白が斉の桓公となり、管仲は鮑叔の推薦と、桓公の判断の良さにより、斉の宰相の座につき、桓公を覇王としていく。やはり管仲の才能もあるが、その才能を信じて、立ててくれた友人鮑叔の存在。そして、自分の命を危機にさらしたのにも関わらず、管仲を登用した桓公の判断があっての、管仲だったろうと思うし、その判断の良さが桓公を覇王に押し上げたのだろうと改めて感じた。残念ながら、管仲が宰相となった後の鮑叔の活躍はあまり描かれていなかったが、どうだったのだろう。そのあたりも気になるところ。そちらからの視点でどなたか書いたりしないかしらん?